私の一番古い「私名義の預金口座」は、「東洋信託銀行和歌山支店」とのことで、今でも、わずかながら取引があります。その後、UFJ信託銀行、三菱UFJ信託銀行と名称がかわっています。
私の職業や財産の有無などを調査せずDMを送付したのでしょう、また、口座開設時から50年以上経過していることはわかりますから、「財産もたまり」「先も長くないから」「家族への遺言」をしたらどうですか「三菱UFJ信託銀行」での説明会にご参加くださいというようなDMです。
「三菱UFJ信託銀行大阪支店」 と、御堂筋をはさんだ位置にある堂ビルに私の法律事務所がありますから、満期の手続きなどの代行をしてもらうことがあります。
信託銀行の雰囲気は変わりましたね。
三菱東京UFJ信託銀行和歌山支店などは、支店を失い、三菱東京UFJ信託銀行和歌山支店に「間借り」しています。
三菱UFJ信託銀行大阪支店も、ごく一部の間、三菱東京UFJ銀行営業部内に「間借り」していましたが、立派な店舗になりました。
御堂筋をへだてて、向かいに建っている大正時代に建築された私の入っている「堂ビル」は、若干見劣りします。
信託銀行は、従前は、「貸付信託(ビック含む)」「金銭信託(ヒット含む)」など預金以外の元本保証の商品を扱う普通の銀行というイメージだったのですが、三菱UFJ信託銀行大阪支店をみると、銀行というより「サロン」的な造りになっています。
やはり、「団塊の世代」など、「プチ富裕層」「にわか富裕層」を相手にしているのでしょうか。
経験的にいって、大企業(ブルーカラー含む)・公務員(管理職)として勤務していて、子なし、節約派であれば、共働きでなくとも「退職金、不動産を含め総資産1億円」は珍しくありません。子供がいれば、まず、サラリーマンでは、1億円はたまりません。
信託銀行は「サロン」ですから、「時間のない客」は多くありません。「VIP待遇」にするためか「ゆっくり」処理します。
ということで、投資信託を販売したり、遺言をすすめたり、「小金持ち」から収益を期待しているのでしょうね。
投資信託は、手数料を考えると、とんでもない不利益商品が多数であること、遺言は、無効になる確率が大きくなり、調停・審判になったら「使い物にならない」ことがあり得ます。また、「争いの種」になるような内容の遺言書が大量生産されていると思います。
信託銀行は、弁護士のように、「実戦経験豊富」で、「常に対戦モード」ではありませんから「脇が甘い」ようにも思います。
売買契約書にしても、貸金契約書にしても、「将来の紛争」を未然に予防するため、作成します。
「将来の紛争」は、ある程度の経験を積んでいる弁護士なら予想はつきます。
「将来の紛争」が全くないことが予定されるという場合なら、信託銀行など「実戦経験」のない、ところに任せて大丈夫でしょうが、「将来の紛争」が、少しでも予測されるのなら、弁護士に依頼した方が賢明だと思います。きょうだいは仲がよくても、いわば他人の「配偶者」が入ると「相続」ならぬ「争続」になることがあるようです。