不貞の相手方に対する慰謝料請求が増えているようです。
インターネットなどに情報があふれているのも理由の一つかも知れません。
インターネットですから「玉石混淆」なのでしょうが、不貞の相手方に対する慰謝料請求ができるということ自体知らない人も結構います。
ただ、別の理由もありそうです。
昔は、不貞を立証する方法として、配偶者本人が白状するか、興信所に依頼して証拠写真をとるというのが普通でした。
否認されると、証拠がものをいいますから、「確たる証拠のない」慰謝料請求の代理人を引受ける弁護士は多くありませんでした。
興信所に依頼するには、50万円程度が必要です。
また、不貞自体は分かっても、相手の住所・氏名がわからないため訴訟を提起できないということも多かったのです。
なお、住んでいるところが分かっていても、住民票上をおいていなければ、氏名が本名かどうかを含めて調査はできません。
今は違いますね。
携帯のメールで不貞が発覚したとか、携帯のメールが「動かぬ証拠」になるという場合が結構あります。
携帯のメールは「ロックをかけているから安心」と思っている方も多いかと思いますが、案外、パスワードなどロック解除の方法を、配偶者が知っている場合が多いです。
また、携帯を複数持つというのも、危険が伴います。
「請求書を発行する」ということにしますと、「もう一つの携帯電話」の存在が知られてしまいます。
「請求書は発行しない」にしても、銀行の預金口座やクレジットの明細書から、「もう一つの携帯電話」の存在がわかることもあります。
携帯のメールを読まれますと、そのメールを、配偶者の携帯電話などに「転送」されてしまいます。
ということで、不貞の証拠を握られる結果になります。
また、携帯電話は、本人確認の手続きが厳格です。
電話会社は、運転免許証、パスポート、健康保険証と住民票などで住所・氏名を確認し、コピーを保管しています。
運転免許証、パスポート、健康保険証、住民票は、間違いなく、契約者が住民登録している住所が記載されています。住民票を移転しても、転居先は簡単に分かります。
弁護士に依頼すれば、携帯電話の電話番号から、契約者の住所・氏名がわかります。ただ、5300円の手数料がかかりますし、また、示談か訴訟事件を委任しないと、弁護士は住所を教えてくれません。
教えて、直接交渉にいかれたのでは、たまったものではありません。
なお、司法書士に、140万円以下の示談や訴訟を委任することは可能ですが、携帯電話の電話番号から、契約者の住所・氏名を調べる権限はありません。行政書士は、問題外です。
ちなみに、不貞の発覚も、携帯電話のメールからということが多くなっています。